【2026年最新版】墓じまいの流れ7ステップ|費用相場からトラブル回避法、行政手続きまで徹底解説

【2026年最新版】墓じまいの流れ7ステップ|費用相場からトラブル回避法、行政手続きまで徹底解説

「実家のお墓が遠くて、年齢とともにお墓参りに行くのが難しくなってきた」 「自分が亡くなった後、子供や孫に管理の負担や経済的な苦労をかけたくない」

このような悩みから、「墓じまい(改葬)」を真剣に検討する人が年々増えています。しかし、いざ始めようと思っても、「何から手を付ければいいのか」「行政手続きが複雑そう」「お寺や親族とトラブルになったらどうしよう」と不安になり、足が止まってしまう方も少なくありません。

墓じまいは、単にお墓を壊して更地にするだけの工事ではありません。ご先祖様の遺骨を扱い、これまで関わってきたお寺や親族との関係を整理する、人生の大きな節目となる一大プロジェクトです。事前の準備や合意形成を怠ると、思わぬトラブルに発展することもあります。

本記事では、厚生労働省の最新データや行政のガイドラインに基づき、墓じまいの具体的な流れを「7つのステップ」に分けて徹底解説します。2026年現在の最新トレンド(墓じまい後の供養先)や、実際の費用相場、よくあるトラブルの具体的な回避策まで網羅しました。

この記事を読めば、迷うことなく安心して、納得のいく墓じまいの手続きを進めることができます。

本記事は以下の信用できる情報を元に作成されています。

著者:ミライの手 編集部

目次

1. なぜ今、墓じまいが増えているのか?

具体的な流れを解説する前に、なぜ今これほどまでに墓じまいが注目されているのか、その社会的背景を客観的なデータから見ていきましょう。

墓じまいは、決して「ご先祖様をないがしろにする後ろ向きな行為」ではありません。現代のライフスタイルや家族形態の変化に合わせた、「お墓の持続可能な形へのアップデート」として一般化しています。

厚生労働省が毎年発表している「衛生行政報告例」によると、改葬(お墓の引っ越し・墓じまい)の件数は右肩上がりで増加しています。

  • 令和4年度(2022年度)の改葬件数:約15万1,153件(過去最高水準)

  • 約10年前(平成24年度)の約8万件弱と比較すると、わずか10年で約2倍近くに急増しています。

墓じまいが急増している3つの社会的背景

  1. 地方の過疎化と都市部への人口集中 「実家は地方にあるが、自分は都市部に家を建てて定住している」というケースです。お墓参りのためだけに、片道数時間と往復数万円の交通費をかけることが、年齢を重ねるごとに心身の負担になっていきます。

  2. 少子高齢化・核家族化による「跡継ぎ(承継者)不足」 従来の日本のお墓は「家」単位で引き継ぐものでした。しかし、子供が娘だけで嫁いでしまった、あるいは未婚の子供がいるなど、お墓の管理者(跡継ぎ)が途絶えてしまうケースが激増しています。管理者がいなくなったお墓は、最終的に「無縁墓(むえんぼ)」として自治体等に撤去されるリスクがあります。

  3. お墓に対する価値観の多様化 「お墓はこうあるべき」という固定観念が薄れ、「残された家族に経済的・心理的な負担をかけたくない」「自然に還りたい」という前向きな理由から、生前に自ら墓じまいを計画する人が増えています。

2. 墓じまいの全体的な流れ「7つのステップ」

墓じまいをスムーズに完了させるためには、全体のロードマップを把握しておくことが重要です。墓じまいは大きく「親族・寺院との話し合い」「行政手続き」「実際の工事・供養」の3つのフェーズに分かれ、細かく分けると以下の7ステップで進んでいきます。

それぞれのステップについて、具体的な進め方と見落としがちな注意点を詳しく解説します。

ステップ1:親族間で話し合い、合意を形成する

墓じまいのプロセスにおいて、最も重要であり、かつ最も時間をかけるべきなのが「親族間の話し合い」です。これを独断で進めてしまうと、後々取り返しのつかない感情的な対立を生む原因になります。

  • 誰に相談すべきか? お墓の現在の「名義人(承継者)」だけでなく、兄弟姉妹、叔父・叔母、いとこなど、そのお墓に縁のある親族には一通り声をかけましょう。

  • 何を話すべきか? 「自分が体力的にお墓を守れなくなった現状」を正直に伝え、「このままでは無縁墓になってご先祖様に申し訳ないため、今のうちに前向きな整理をしたい」という意図を明確にします。

  • ポイント 親族の中には「お墓をなくすなんてご先祖様に失礼だ」「バチが当たる」といった保守的な意見を持つ方もいます。反論された場合は感情的にならず、「では、自分が動けなくなった後、誰がお墓の管理費を払い、掃除に行くのか」という現実的な課題を共有し、一緒に考えてもらう姿勢が大切です。

ステップ2:次の納骨先(新しい供養先・受け入れ先)を決める

「お墓を解体してから、ゆっくり次の行き先を考えよう」というのは厳禁です。なぜなら、後述する行政手続き(改葬許可申請)を行う際、申請書に「次の納骨先(受け入れ先)」を記入する必要があるからです。

また、新しい納骨先から「受入証明書」という書類を発行してもらう必要があるため、お墓の解体よりも先に次の供養先を契約します。

2026年現在、選ばれている主な新しい供養先(樹木葬、納骨堂、永代供養墓など)の特徴や費用については、第3章で詳しく後述します。

ステップ3:現在のお墓の管理者(寺院など)へ連絡・相談する

現在のお墓が民間霊園や公営霊園にある場合は、事務手続き的な連絡で済むことが多いですが、お寺の敷地内(境内墓地)にある場合は、特に慎重なコミュニケーションが必要です。いわゆる「離檀(りだん:お寺の檀家をやめること)」の相談になります。

  • 伝えるタイミング 少なくとも、実際の工事希望日の3ヶ月〜半年前には相談を始めましょう。急に「来月墓じまいをします」と事後報告のように伝えると、お寺側も感情的になり、トラブル(高額な離檀料の請求など)に発展しやすくなります。

  • 伝え方のコツ 電話やメールではなく、できれば直接お寺に出向き、住職にお会いして話すのが礼儀です。その際、「お寺への不満」ではなく、「遠方に住んでいてお参りに来られない」「跡継ぎがいない」という「やむえない個人的な事情」を理由にしましょう。そして、これまでお墓を守ってくれたことへの感謝の言葉(お礼)を必ず添えることが、円満な離檀の鍵となります。

ステップ4:石材店を選定し、墓石撤去工事の見積もりを取る

墓石を解体・撤去し、区画を更地にして管理者に返還するための工事を行う石材店を探します。

  • 指定石材店の有無を確認する 霊園やお寺によっては、出入りできる石材店が指定されている「指定石材店制度」を導入している場合があります。その場合、自分で安い石材店を見つけてきても工事ができません。まずは管理事務所や住職に「指定の石材店はありますか?」と確認してください。

  • 相見積もりを取る(指定がない場合) 指定石材店がない公営霊園などの場合は、複数の石材店(2〜3社)から相見積もりを取りましょう。

  • 費用相場の目安 墓石の解体撤去費用は、一般的に「1坪(約3.3平米)あたり20万〜30万円程度」、あるいは「1平米あたり10万〜15万円程度」が相場と言われています。ただし、お墓が山奥にあり重機が入らない場合や、手作業での運搬が必要な場合は、人件費が上乗せされて高くなることがあります。必ず現地を見てもらった上で正式な見積書を出してもらいましょう。

ステップ5:役所で行政手続き(改葬許可申請)を行う

法律(墓地、埋葬等に関する法律)に基づき、遺骨を別の場所へ移動させるための正式な許可を得る手続きです。これを行わずに勝手に遺骨を取り出して移動させると、法律違反になるため注意が必要です。

手続きは、「現在のお墓がある市区町村の役所」に対して行います。必要な書類の揃え方は以下の通りです。

  1. 「改葬許可申請書」を入手する 現在のお墓がある役所の窓口、または公式ウェブサイトからダウンロードします(遺骨1柱につき1枚必要な自治体が多いです)。

  2. 新しい納骨先から「受入証明書」をもらう ステップ2で契約した新しい供養先の管理責任者から発行してもらいます。

  3. 現在のお墓の管理者から「埋蔵証明書」をもらう 現在のお墓の管理責任者(お寺の住職や霊園の管理事務所)に、申請書の「証明欄」に署名・捺印してもらうか、別途「埋蔵証明書」を発行してもらいます。

  4. 役所に提出し、「改葬許可証」を発行してもらう 上記を揃えて役所に提出すると、「改葬許可証」が発行されます。これが実際の工事や新しい納骨先への提出に必須となる重要書類です。

ステップ6:閉眼供養(魂抜き)・遺骨の取り出し・解体工事

書類が揃ったら、いよいよ現場での実務に移ります。

  • 閉眼供養(魂抜き・お性根抜き) お墓をただの「石」に戻すための宗教的な儀式です。お寺の住職にお墓の前でお経をあげてもらいます。

  • お布施の相場 閉眼供養の際にお寺にお渡しするお布施の相場は、一般的に3万〜5万円程度です。これに加えて、住職が遠方から来られた場合は「お車代(5,000円〜1万円程度)」をお渡しします。

  • 遺骨の取り出しと解体工事 儀式が終わったら、石材店がカロート(墓石の下の遺骨収蔵室)を開け、遺骨を取り出します。その後、石材店によって墓石が解体・撤去され、敷地が更地(元の土の状態)に戻されます。更地になったことを霊園や寺院の管理者に確認してもらい、返還手続きを行います。

ステップ7:新しい供養先へ遺骨を納骨する

取り出した遺骨を、ステップ2で決めておいた新しい供養先へ運びます。

  • 遺骨の状態に注意 長年土の中にあった遺骨は、湿気でカビが生えていたり、骨壺の中に水が溜まっていたりすることがあります。新しい納骨先(特に屋内の納骨堂など)によっては、そのままでは納骨できず、事前に「乾燥」や「洗骨(せんこつ)」、「粉骨(ふんこつ)」のメンテナンスが必要になる場合があります。専門の業者や石材店に相談しておくと安心です。

  • 新しい納骨先へ「改葬許可証」を提出する ステップ5で役所から発行してもらった「改葬許可証」を、新しい供養先の管理事務所に提出することで、正式に納骨(改葬)が完了します。

3「費用総額」の具体例:いくら用意すれば安心?

墓じまいにかかる費用は、「現在のお墓の撤去費用」+「お寺へのお礼」+「新しいお墓(供養先)の費用」の3つの合計で決まります。 ここでは、読者の皆様がイメージしやすいよう、2つの代表的なシミュレーション(総額の具体例)を用意しました。遺骨は「夫婦2柱分」を想定しています。

パターンA:地方のお寺から、都心の利便性の良い「納骨堂」へ引っ越す場合

「実家は地方の山あいの寺院にあるが、今後は自分の生活圏である都心で気軽にお参りしたい」という、最も多いケースです。

  • 現在のお墓の撤去(1.5坪、やや難所):約45万円

  • 閉眼供養のお布施・お車代:約5万円

  • 離檀料(これまでの感謝を込めたお布施):約10万円

  • 新しい都市型納骨堂の契約(2名プラン):約100万円

  • 遺骨の洗骨・乾燥(2柱分):約4万円

  • 【費用総額】約164万円

★ポイント:お墓の場所が斜面や狭い通路の奥にある場合、重機が使えず人件費が高くなる傾向があります。また、都心の自動搬送式などの納骨堂は利便性が高い分、新しい供養先の費用が総額を押し上げる要因になります。

パターンB:公営霊園を解体し、今後の管理費ゼロの「樹木葬」へ移す場合

「後継者がいないため、お墓のカタチを無くし、維持費が一切かからない自然志向の供養にしたい」というケースです。

  • 現在のお墓の撤去(1坪、平地・重機可):約25万円

  • 閉眼供養のお布施(霊園に住職を招く):約4万円

  • 離檀料:0円(公営霊園のため不要)

  • 新しい樹木葬の契約(永代供養・2名用):約50万円

  • 【費用総額】約79万円

★ポイント:公営霊園(自治体運営)の場合、離檀料という概念がないため費用を大きく抑えられます。また、新しい行き先を「個別の墓標を持たない樹木葬(一定期間後に合祀されるタイプ)」にすることで、100万円を切る予算での墓じまいが可能になります。

4.2026年最新:墓じまい後の「新しい供養先」トレンド

現在は、「次の世代に管理の手間や経済的負担を一切残さない供養」を選ぶ人が圧倒的多数を占めています。選ばれている代表的な4つの供養方法について、メリット・デメリットと費用相場を比較表にまとめました。

新しい供養先の比較一覧表

供養方法 費用相場(目安) メリット デメリット・注意点

永代供養墓

5万〜30万円/ 1柱

・費用を最も安く抑えられる

 

・お寺が永続的に管理してくれる

・他の人の遺骨と混ざるため、後から個別に遺骨を取り出すことができない

樹木葬

20万〜80万円

・自然志向で明るい雰囲気

 

・承継者(跡継ぎ)が不要

 

・1人〜家族単位で入れる

・一定期間(13回忌など)が経過すると、合祀(合同墓)に移されるケースが多い

納骨堂

30万〜150万円

・駅近などアクセスが良い施設が多い

 

・屋内なので天候を気にせずお参りできる

 

・草むしりなどの管理が不要

・建物自体に耐用年数がある

 

・年間管理費が必要な施設もある

 

・お盆などは混雑する

海洋散骨

5万〜50万円

・お墓そのものを持たないため、今後の年間管理費が完全にゼロになる

 

・自然に還れる

・お参りをする具体的な「場所(対象)」がなくなるため、親族の理解が必要

 

2026年の注目トレンド:後悔しないための選び方

最近の人気は「樹木葬」と「都市型納骨堂」に二分されています。 特に樹木葬は、「お墓という形は残したいけれど、子供に迷惑はかけたくない」という折衷案として非常に支持されています。

一方、お墓という形自体を完全に無くし、毎年の維持費を一切発生させたくないミニマリスト志向の方には「海洋散骨」や、最も費用を抑えられる「永代供養墓(合祀)」が選ばれています。ただし、合祀(ごうし)は一度行うと二度と遺骨を取り出せないため、親族間で本当によいか入念に確認する必要があります。

5. 行政手続き:必要書類と法律上の根拠

墓じまいは、個人の自由で勝手に行って良いものではありません。日本の法律である「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)」通称:墓埋法(ぼまいほう)によって、手続きが厳格に定められています。

法律上の根拠:墓地、埋葬等に関する法律 第5条

「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。)の許可を受けなければならない。」 これに違反してお墓を勝手に掘り起こしたり、遺骨を遺棄したりすると、刑法第190条(死体遺棄・墳墓発掘罪)などの罪に問われる可能性があります。

法律に則って正しく手続きを進めるために、必要となる「3つの主要書類」の役割と入手先を整理しました。

墓じまいに必要な3大書類

1.【受入証明書】(新しい供養先が発行)

2.【埋蔵証明書】(現在のお墓の管理者が発行)

3.【改葬許可申請書】(現在のお墓がある市区町村の役所に提出)

★役所から【改葬許可証】が交付される(これが正式な通行手形になります)

  • 受入証明書(または永代供養許可証、契約書等)

    • 役割:遺骨の「次の行き先」が間違いなく確保されていることを公的に証明する書類。

    • 入手先:新しく契約した霊園、納骨堂、お寺の管理責任者。

  • 埋蔵証明書(または埋蔵(収蔵)事実証明書)

    • 役割:現在のお墓に「誰の遺骨が何柱埋められているか」を証明する書類。

    • 入手先:現在のお墓の管理責任者(お寺の住職、または霊園の管理事務所)。

    • ※市区町村によっては、次項の「改葬許可申請書」の用紙内に、管理者記入欄(署名捺印欄)が一体化しているケースも多くあります。

  • 改葬許可申請書

    • 役割:自治体に対して「お墓の引っ越しの許可をください」と申請するための書類。

    • 入手先現在のお墓が所在する市区町村役場の戸籍住民課や環境衛生課などの窓口(公式ホームページからPDFでダウンロード可能な自治体がほとんどです)。

6. 後悔しないために!よくあるトラブル事例と具体的な回避策

墓じまいで「読んで良かった」と最も納得感を得られるのが、このトラブル回避のパートです。実際によくある2大トラブルとその解決策を、実務的な視点から解説します。

トラブル①:お寺から高額な「離檀料」を請求された

  • 実際の事例: 墓じまいを申し出たところ、住職から「これまで何代にもわたってお墓を守ってきたのだから、離檀料として300万円払ってください。そうでないと埋蔵証明書に判を押せません」と言われた。

  • 背景と法的解釈: そもそも「離檀料」という言葉は法律上の用語ではなく、あくまで「これまでお世話になった感謝のお気持ち(お布施)」です。そのため、数百万円といった法外な金額を強制的に支払わせる法的根拠はありません

  • 具体的な回避策

    1. 感情論で戦わない:「法律を盾に拒否する」ような高圧的な態度は火に油を注ぎます。「長年お世話になり本当に感謝していますが、経済的な事情(または病気など)でどうしてもこれ以上の支払いが難しい」と、誠実に困窮している状況を伝えて相談しましょう。

    2. 相場を意識する:円満な離檀のための一般的なお布施(離檀料)の相場は、「お付き合いの深さや格によりますが、通常の法要1回分〜数回分(数万〜多くても20万円程度)」が一般的です。

    3. 専門機関に相談する:話し合いが平行線をたどり、書類の発行を拒否されるなどの嫌がらせに発展した場合は、独断で悩まず、弁護士や国民生活センター(消費者ホットライン:局番なしの「188」)に相談してください。過去の判例や調停のノウハウに基づいたアドバイスが受けられます。

トラブル②:親族から「聞いていない」と猛反対された、後から親戚に責められた

  • 実際の事例: お墓の承継者である自分が良かれと思って独断で墓じまいをし、樹木葬に移した。後日、それを知った親戚(叔父やいとこ)から「我が家の先祖の墓を勝手に壊すとは何事だ!」「もうお墓参りに行けないじゃないか」と激怒され、親戚付き合いが断絶してしまった。

  • 背景と法的解釈: お墓の所有権(祭祀財産)は、基本的には現在の名義人(承継者)1人にあります。そのため、法的には名義人のサインだけで墓じまいは可能です。しかし、お墓は親族全員にとっての「心の拠り所」でもあるため、感情的な問題は法律だけでは解決できません。

  • 具体的な回避策

    1. 「決定報告」ではなく「相談」の形をとる:「墓じまいすることに決めた」と言うのではなく、「これからの管理が体力的に厳しく、次世代にも負担をかけたくないのだけれど、どう思うか?」と意見を求める形でスタートします。

    2. 代替案を用意しておく:反対する親族に対しては、「完全にお骨をなくして消滅させるのではなく、近くの綺麗な納骨堂に移すから、今よりもお参りしやすくなるよ」「いつでも会いにいける樹木葬にするよ」といった、具体的な代替案を見せることで安心してもらえます。

    3. 分骨(ぶんこつ)を提案する:どうしても「お墓をなくしたくない」という強い希望者がいる場合は、遺骨をいくつかに分け(分骨)、その人のために一部の手元供養用のお骨を渡す、あるいはその人に承継者の名義を変更して管理を引き継いでもらう、という選択肢も視野に入れましょう。

7. まとめ:墓じまいは「ご先祖様と家族の未来のための前向きな整理」

墓じまいの具体的な流れをもう一度振り返ってみましょう。

  1. 親族間での丁寧な話し合い(合意形成)

  2. 新しい供養先(樹木葬・納骨堂等)の選定と契約

  3. お寺への誠実な相談(離檀の挨拶)

  4. 石材店の選定と見積もり取得

  5. 役所での正しい行政手続き(改葬許可証の取得)

  6. 閉眼供養と墓石の解体撤去工事

  7. 新しい先への納骨(完了)

こうして並べてみると、最も大切なのは「行政手続きの手順」そのものよりも、「関わる人々(親族やお寺)との丁寧なコミュニケーション」であることが分かります。

墓じまいは、決してご先祖様を捨てる行為ではありません。管理が行き届かなくなり、荒れ果ててしまう「無縁墓」になるリスクを未然に防ぎ、次の世代が笑顔でお参りできる環境を整えるための「愛のある前向きな選択」です。

厚生労働省のガイドラインに則った正しいステップを踏めば、決して恐れる必要はありません。負担を次の世代に先送りしないために、まずはご家族での話し合いや、気になる新しい供養先の資料請求など、今できる小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。